フィエステリア・スワローテイル
2021.08.06
アメリカ東海岸ノースカロライナ州の河口域では、80年代半ばから魚の大量死が報告されるようになる。
原因は、渦鞭毛藻類に分類されるフィエステリア・ピシシーダ。92年に報告された新種のプランクトンであった。

フィエステリア・ピシシーダの生態は、未だ議論の最中にあるが、報告した研究者によると環境によって24もの形態(ステージ)に変身すると言われている。

普段は、海底を漂うアメーバ型。鞭毛を使って泳ぎ回る無毒遊走子型。かたい殻を纏って休眠状態となるシスト型として静かに生息している。

魚が近づかなければ・・・だが。

フィエステリア・ピシシーダは、魚が近づくと有毒遊走子型に変容し、毒素を放出しながら魚に寄生。毒素で魚を麻痺させアメーバ型に変身して捕食する。
また、シスト型のフィエステリア・ピシシーダは、苛酷な環境に耐えるのに適しており、実験では35日間の乾燥にも耐え、高濃度の酸や水酸化物、漂白液にも耐えられることが実証された。

アメリカ東海岸ノースカロライナ州の河口域では、家庭、養豚場などの排水が流れ込んでおり、淀みのある浅い海域は、窒素・リンなど富栄養化にあり、フィエステリア・ピシシーダの大量発生(藻類ブルーム)が魚の大量死をもたらしたと推測される。

小説「腐海」ジェームズ・ポーリック著や「深海のYrr」フランク・シェッツィング著、ノンフィクション作品の「川が死で満ちるとき―環境汚染が生んだ猛毒プランクトン」ロドニー・バーカー著で、フィエステリア・ピシシーダの恐怖が描かれている。

フィエステリア・ピシシーダの毒素は、人間にも有害であり、一種の化学兵器に近い。
毒素を含んだ海水に直接触れるのはもちろん、エアロゾルや気化した空気にも含まれる。
毒素が風に運ばれ、町一つが被害にあうこともあるのだ。
この毒素は腸、皮膚、目、鼻腔、咽喉の炎症。化膿性炎症を引き起こす。
神経毒であるため、頭痛や吐き気、短期の記憶障害までも伴う。
これらの病状は回復までに長期を要し、完全に病状が治まるまでには最低でも半年かかるという。
研究は進んでいるものの、毒素に対する有効な治療法は未だ発見されておらず、現状、これら害を避ける方法としては、フィエステリアの生息する区域に近づかない事が推奨されているのみである。
実際にフィエステリア・ピシシーダの研究者、ダイバーや漁師も被害にあっており、現在は、バイオハザードのレベル3に該当し、防護服なしには研究できない。

フィエステリアの毒にしても、元来海産毒素は、陸上のものとは比べ物にならないほど強力で、フグ、ソウシハギ、オニダルマオコゼ、アンボイナガイ、ハブクラゲ、ヒョウモンダコなどの毒は有名であり、渦鞭毛藻類の生物濃縮によるシガテラ毒も身近になりつつある。

春先に、貝毒の発生に伴う潮干狩りの禁止は、近年よく耳にする。珪藻類の持つ毒素を貝類が生物濃縮するためだが、ドウモイ酸のような神経毒は有名。

フィエステリア・ピシシーダが日本に侵入する方法は、2つ考えられる。

第一の方法。
アメリカから日本に向かう船舶のバラストタンクに、シスト型のフィエステリア・ピシシーダが紛れ込む可能性。
近年、「船舶バラスト水及び沈殿物の制御及び管理のための国際条約」により、外洋でのバラスト水の交換などで、バラスト水管理は注意喚起されているが、可能性が0ではない。

第二の方法。
シスト型のフィエステリア・ピシシーダは、乾燥にも耐えるため、渡り鳥の足に付着したまま、日本に飛来する可能性。

アメリカと日本の間に渡り鳥の直接のルートは無いのかもしれないが。

昨年9月、ロシアのカムチャッカ半島で渦鞭毛藻類によるとみられる魚の大量死が確認された。
この時は、海底生物の95%が死滅した地域もあったという。また、魚だけでなく、ゴマフアザラシや地元サーファーにも被害がでた。
同年10月にもカムチャッカ半島の西海岸で魚の大量死や、それを食べたヒグマの食中毒が確認されている。

ベーリング海峡を渡ったのだ。

カムチャッカ半島から渡り鳥の足に付着したフィエステリア・ピシシーダは、伊勢湾奥の干潟に運ばれる。

伊勢湾奥にて、シスト型のフィエステリア・ピシシーダは拡散し新たな環境で変異する。
家庭、養鶏場、養豚場などの排水が流れ込んでいる伊勢湾北部の河口は、窒素・リンなど富栄養化にあり、微少生物の大発生がおきやすい。

フィエステリア・ピシシーダは、変異とともに新たな能力を手にし、とある川の河口に移動してその数を増やし、巨大なコロニーを形成した。それは静かにそして確実に藻類ブルームの準備を始めたのである。

フィエステリア・スワローテイル。
変異種の誕生である。


何も知らない釣り人は、今日も海にいた。
真夏の夜、台風の接近にともなう、南からの強い潮風に、涼を感じながら、日頃の鬱憤を晴らすように遠投する。

午後8時。
今日もアタリは無く、ひたすら遠投する。

昨夜の事を思い出し、河口とは反対方向に遠投!

コン♪ガツン!!!

50には足らないマゴチ♪
こいつはめちゃくちゃ元気で、よく暴れてくれたよ。

さらに、遠投するも続かず。(涙)

メタルジグに変更♪
コン♪ガツン!!!

小マゴチ、

さらに、3匹連続でヒットするも、バラしまくり!フックの問題かなぁ。

再び河口側に移動。
ココン♪ガツン!!!
ん?重さはあるけど暴れない。

久しぶりのタイワンガザミ♪(雄)

午後11時半納竿♪

マゴチ2匹
タイワンガザミ1匹

厳しい釣果だな。
頻繁に雨が降るから、赤潮が近いのかも。
またまた、まん延防止措置が発動するね。


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